人材養成目的と3つのポリシー

医歯薬学専攻(博士課程)

【人材養成目的】
 大学院医歯薬学総合研究科 医歯薬学専攻(博士課程)は、国際社会において高く評価されると共に地域社会において広く活用される研究成果の創出を基礎として、創造性豊かで優れた能力により国内外の機関で自立した研究者、高度な専門知識と豊かな人間性に基づく倫理観を兼ね備えた特色ある医療のプロフェッショナル、及び教育・研究・医療分野で人類の叡智を拡げる大学教員を養成します。

1.学位授与の方針(ディグリー・ポリシー)

 大学院医歯薬学総合研究科 医歯薬学専攻(博士課程)は、医学・歯学・薬学の領域で、教育研究、先進的医療の中核拠点として、我が国及び地域に貢献する融合型の医療系大学院です。博士課程では、国際社会において高く評価されると共に地域社会において広く活用される研究成果の創出を通じて、創造性豊かで自立した研究者、高度な専門知識と豊かな人間性に基づく倫理観を兼ね備えた医療職業人、及び教育・研究・医療におけるリーダー的大学教員を養成しています。そのため、次のような実践力、探究力、コミュニケーション力、専門力、教養力を身につけることを求めています。

  • 実践的な問題を解決できる力【実践力】
    グローバル化に対応した国際感覚を有し、自己の専門分野をもって社会をリードする行動を取り、日々発生する様々な課題に対し、持続可能な社会の実現に向けた新たな枠組みを構築することができる。
  • 自律的に探究を推進する力【探究力】
    自己実現に向けて、生涯に亘り医学・歯学・薬学の発展に寄与する高い学習意欲を持ち、基礎から社会実証研究に至る諸相で、長期的・短期的課題を設定して研鑽を積むことができる。
  • 成果創出に活かせるコミュニケーション力【コミュニケーション力】
    幅広い学術研究領域の情報を自ら収集・分析し、適切に発信できることに加え、チーム・ユニットの意見をまとめ、適切な方向性を提示することができる。
  • 知の創成につながる幅広い専門力【専門力】
    医学・歯学・薬学に関する幅広い高度な専門知識と技能、態度及び分野の垣根にとらわれず、課題に対してアプローチする能力を身につけて社会に貢献できる。
  • 人間性に富み国際的に通用する教養【教養力】
    広い学識を習得し、学術的問題を見出すとともに、その問題解決に向けての論理的思考力・判断力・創造力を有し、人間性や倫理観に裏打ちされた研究者としての豊かで国際的な教養を身につけている。

 所定の単位を修得し、研究指導を受け、自ら学位論文を作成・発表して、学位審査を受け、最終試験に合格することが、博士(医学・歯学・薬学・学術)の学位授与の要件です。この過程を通して、人類の知の限界を僅かに拡げつつ、人間・社会・自然についての自らの視点と理解を理性に基づいて示す必要があります。学位審査については、公開の「学位申請の手引き」として学位論文の提出方法等を定め、学務委員会で選出される委員で構成される審査委員会を設置して、学位審査発表会を実施します。審査報告書に基づき教授会において学位授与について最終判定されます。

 医学学位プログラムでは、医学における幅広い学識と高度な研究能力を有し、地域医療から高度先進医療までを担う高度専門医療人、医学・医療に関する確かな教育研究能力を備えた高等教育教員、創造性豊かで優れた研究・開発能力を持ち学際的・国際的に活躍できる医学・医療分野の研究者などを養成します。
 例えば、先進的医療技術を駆使して、がんや難病の治療を行う高度臨床研究医や生命科学の深い理解と洞察に基づき、医療の様々な局面で活躍する高度総合臨床医、医学・生命科学領域で人類の叡智を拡げ社会実装に取り組みつつ後進を養成する大学教員、医学・生命科学関連の国内外研究機関・企業で活躍する研究者などを想定しています。
 次の2つの要件を満たした者に、博士(医学)又は博士(学術)の学位が授与されます。コースワークでは、専攻共通科目(高度リベラルアーツ科目)、専攻共通科目(専門基礎科目)、専門科目からなる体系的なカリキュラムに沿って学修を進め、実践力、探究力、コミュニケーション力、専門力、教養力を修得しつつ、所定の単位を取得することが必要です。リサーチワークでは、実習科目として、指導教員の指導のもと自らの研究課題に能動的に取り組み、人類の限界に挑戦しつつ自著学位論文をまとめ、審査及び最終試験に合格することが求められます。また、演習科目や課題研究では、自らの研究について発表討論することにより、自らの論理的思考能力、研究遂行能力、説得力が所定の水準を満たしていることを能動的に示すことが必要です。

 歯学学位プログラムでは、歯学における幅広い学識と高度な研究能力を有し、地域医療から高度先進医療までを担う高度専門医療人、歯科医学・歯科医療に関する確かな教育研究能力を備えた大学教員、創造性豊かで優れた研究・開発能力を持ち学際的・国際的に活躍できる歯学・歯科医療分野の研究者などを養成します。
 例えば、生命科学の深い理解と洞察に基づき、歯科医療の様々な局面で活躍する総合臨床歯科医や、リサーチマインドを持ち先進的歯科医療技術を駆使した治療を行う高度臨床専門歯科医、歯科医学・生命科学領域で人類の叡智を拡げ社会実装に取り組みつつ後進を養成する大学教員、歯科医学・生命科学関連の国内外研究機関・企業で活躍する研究者などを想定しています。
 次の2つの要件を満たした者に、博士(歯学)又は博士(学術)の学位が授与されます。コースワークでは、専攻共通科目(高度リベラルアーツ科目)、専攻共通科目(専門基礎科目)、専門科目からなる体系的なカリキュラムに沿って学修を進め、実践力、探究力、コミュニケーション力、専門力、教養力を修得しつつ、所定の単位を取得することが必要です。リサーチワークでは、実習科目として、指導教員の指導の下、自らの研究課題に能動的に取り組み、人類の限界に挑戦します。演習科目や課題研究では、自らの研究について発表討論することにより、自らの論理的思考能力、研究遂行能力、説得力が所定の水準を満たしていることを能動的に示すことが求められます。最終的に自著学位論文をまとめ、審査及び最終試験に合格することが必要です。

 薬学学位プログラムでは、薬学・薬物治療学及び関連分野を先導し、広く人類の健康に貢献する国際水準の研究と教育を推進しています。これらの研究・教育活動を通じて、深い学識と高度な専門性、更には社会をリードする行動力と、自ら成長し続ける意欲を備えた薬学研究者や大学教員、高度先導的薬剤師や高度専門職業人を養成し、社会の要請に応えます。そのため、以下の資質・能力を身に付けることを求めています。

  • 実践力:薬学のグローバル化に対応した国際感覚と学術的コミュニケーション能力に基づいて社会をリードし、持続可能な社会の実現に取り組む実践力
  • 探究力:薬学・薬物治療学の発展に寄与するため、生涯に亘って自己の成長を追求し、高い学修意欲を持ち続け研鑽を積む力
  • コミュニケーション力:薬学に関連する幅広い領域の情報を自ら適切に収集・分析し、適切に活用・情報発信する力
  • 専門力:薬学・薬物治療学及び関連分野に関する幅広い専門知識と技能
  • 教養力:課題抽出・解決能力や人間性、倫理観の基盤となる豊かで国際的な教養

 薬学学位プログラムでは、上記の資質・能力の研鑽を積み、薬学・薬物治療学及び関連分野を先導する知のプロフェッショナルにふさわしい世界水準の広い学識と、健康・医療に関する基礎研究から社会実証研究に至る諸相での課題抽出から解決までを自ら推進できる高い研究能力を身に付けるとともに、所定の単位を修得し、学位論文にまとめた研究成果が学位授与の水準を満たした者に、博士(薬学)又は博士(学術)の学位を授与します。

 

2.教育課程編成と実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

 大学院医歯薬学総合研究科では、ディグリー・ポリシーに掲げる卓越した博士人材を養成して、地域から国際社会まで広く貢献するため、教育研究領域として、医歯薬学専攻(博士課程)を設置しています。ディグリー・ポリシーで定めた能力を円滑に獲得できるよう、指導教員は毎年度、学生と年間の研究計画を討議して研究指導計画を示します。また、学内共同研究を推進し学生支援を行うための副指導教員を決定します。これを指標として年間のリサーチワークを進めます。さらに、中間審査として研究基礎力審査を行う「課題研究」を含む授業科目の単位修得計30単位に加えて、最終審査として指導教員を除いた複数教員による学位審査を修了要件に定めています。各専門分野の特性に応じて、次のようにカリキュラムを編成しています。

  • 実践的な問題を解決できる力【実践力】
    リサーチワークとして、各専門領域における最先端の研究を自らの手で行うとともに、その成果を能動的に研究発表することが求められます。さらに、研究が中間段階に達したところで「課題研究」として研究基礎力審査を受け、分野が異なる教員や学生を対象に研究発表を行い、最終的には学位論文として発表することも求められます。「課題研究」では、学生の所属する教育研究分野以外の分野の教員から助言を受けます。
    教員を目指す学生は、「グローバル医学教育実習」、「グローバル歯学教育実習」として特別聴講学生が参加する学部レベルの演習・実習授業で教育実習を行い、国際性とともに自ら計画を立て実施する行動力を身につけます。これらの授業により、時代と社会をリードする教育実践力を身につけます。
  • 自律的に探究を推進する力【探究力】
    研究と発表、ならびに論文作成の達成には、自律的な探究力が必要です。これらを学生に求めつつ、常に自らを振り返り、高い水準の欲求を自覚して、自己実現に向けた継続的な努力ができる高度人材を養成するカリキュラムを提供しています。
  • 成果創出に活かせるコミュニケーション力【コミュニケーション力】
    研究に必要な学術論文などの情報を収集・活用するための手法を身につけるため、1・2年次配当の高度リベラルアーツ科目「研究方法論基礎」に情報力についての授業を組み入れています。また、情報発信能力も身につけるため、4年間を通して行われる演習科目は、研究成果の学会発表や論文発表も含んでいます。国際的な情報力の涵養のため、国際学会での成果発表を行う授業科目「グローバル・プレゼンテーション」を設定しています。
  • 知の創成につながる幅広い専門力【専門力】
    本博士課程の専門領域は多岐にわたるため、複数の学位プログラム及び選択プログラムを設定しています。各プログラム又は選択プログラムで養成する高度人材の必要性に応じて、専門基礎科目と専門科目を履修します。
  • 人間性に富み国際的に通用する教養【教養力】
    幅広い視点で技術・技芸を学ぶことにより、専門性の束縛を離れ知的好奇心を引き出して研究マインドを育むため、1・2年次に高度リベラルアーツ科目「研究方法論基礎」、「研究方法論応用」を設定しています。国際性涵養のため、英語による授業シリーズ「Medical Science Series」が含まれます。多様な学問領域に関心を持てるよう、学内外で開催される研究会及び講演会も研究方法論の授業とみなすこともあります。

成績評価

 講義科目では主に総括的評価、実習科目及び演習科目では主に形成的評価を行います。

その他

 大学院医歯薬学総合研究科 医歯薬学専攻(博士課程)では、学務委員会を中心として、継続的な教育方法の改善に取り組んでいます。

 医学領域では、地域から国際社会まで幅広く貢献する、多様で卓越した医療人を養成するため、医学学位プログラムに加え3つの選択プログラム[包括がん研究者・研究医養成、グローカル医療人養成、メディカルデータサイエンスイノベーター(MDS)養成]を設定しています。
 また、ディグリー・ポリシーで定めた能力を円滑に獲得できるよう、社会人、留学生にも対応した次のようなカリキュラムを編成しています。

  • コースワークでは、1.専攻共通科目(高度リベラルアーツ科目)、2.専攻共通科目(専門基礎科目)、3.専門科目を必修又は選択必修科目として履修します。また、学修者主体の学びを達成できるよう、多様な選択科目も設定しています。
  • リサーチワークでは、指導教員の下、研究の情報収集・計画立案・実施・記録を行う実習科目と、研究目的・方法・結果を論理的に討論する演習科目で構成しています。さらに、課題研究では、研究科の他の教員や学生の前で研究中間発表を行い、研究について建設的な意見を受けつつ質疑応答を進めることで、研究基礎力を審査する。これらの科目では、能動的なコミュニケーション力、実践力、国際性を涵養します。
  • 講義科目では、主に総括的評価、実習・演習科目では主に形成的評価を行います。

 歯学領域では、地域から国際社会まで幅広く貢献する、多様で卓越した歯科医療人を養成するため、歯学学位プログラムに加え1つの選択プログラム[ボーダレス歯学研究者養成]を設定しています。また、ディグリー・ポリシーで定めた能力を円滑に獲得できるよう、社会人、留学生にも対応した次のようなカリキュラムを編成しています。

  • コースワークでは、1.専攻共通科目(高度リベラルアーツ科目)、2.専攻共通科目(専門基礎科目)、3.専門科目を必修又は選択必修科目として履修します。また、学修者主体の学びを達成できるよう、多様な選択科目も設定しています。
  • リサーチワークでは、指導教員の下、研究の情報収集・計画立案・実施・記録を行う実習科目と、研究目的・方法・結果を論理的に討論する演習科目で構成しています。さらに、課題研究では、研究科の他の教員や学生の前で研究中間発表を行い、研究について建設的な意見を受けつつ質疑応答を進めることで、研究基礎力を審査します。これらの科目では、能動的なコミュニケーション力、実践力、国際性を涵養します。
  • 講義科目では、主に総括的評価、実習・演習科目では主に形成的評価を行います。

 薬学学位プログラムでは、ディグリー・ポリシーを実現するため、以下のようなカリキュラムを編成しています。
 編成方針と教育・学修方法:薬学・薬物治療に関する実臨床及び関連する基礎研究・生命科学研究分野において、学生が主体的に先端的・独創的研究及び演習を遂行することにより、研究者が備えるべき課題探究・研究遂行・課題解決・成果発表に関する高度な能力を育み、知のプロフェッショナルとして自立するとともに、それぞれの学生が目標とする自己実現に繋げることを期待しています。

  • コースワークでは、専攻共通科目(高度リベラルアーツ科目)を履修した後、初学者が専門的な学びの動機を獲得できるよう、世界最先端の薬学・生命科学研究者によるオムニバス講義を専攻共通科目(専門基礎科目)として開講しています。専門科目には、薬学研究に関する専門的で先端的な知識・情報を体系的かつ複眼的に修得するため、主科目及び副科目を設定しています。
  • リサーチワークでは、実践的研究と研究指導を通して高度な研究能力を養う実習科目、学生が能動的に知識・情報を活用してリサーチ・セミナーや学会発表を行う演習科目、高度な国際性と学術的コミュニケーション能力及び実践力を養う国際学会発表、リサーチワークの中間地点での研究基礎力審査を設定しています。

学修成果の評価方針:規定数以上の単位修得と、リサーチワークに基づく研究成果をまとめた学位論文の審査と最終試験によって学修成果を評価します。

 

3.入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

求める学生像

 大学院医歯薬学総合研究科 医歯薬学専攻(博士課程)では、次のような学生を求めています。

  • 医学・歯学・薬学領域の創造的研究、学際的研究、国際的研究を志す人
  • 高度先端医療、全人的医療を志す人
  • 医療系社会人として活躍しながら研究を志す人
  • 6年制の医学・歯学・薬学教育を受け医療資格を有する人、または関連領域の修士課程、博士前期課程の修了者として相応しい知識・技能・態度を修得している人

入学者選抜の基本方針

 人間・社会・自然を理性的に理解するための視点は様々であり、多様な学生を確保するために6種の入学者選抜試験を実施しています。

  • 一般入試(第1回,第2回)
    筆記試験と口述試験を課しています。筆記試験では、医歯薬学分野の英語課題を用い、語学力のみならず、論理構造の理解力、日本語の表現力等を総合的に評価します。専門科目の口述試験では、専門科目に関する知識、理解力やキャリアプランなどについて志望する研究分野の教員が評価します。
  • 進学者選考
    筆記試験と口述試験を課しています。筆記試験では、医歯薬学分野の英語課題を用い、語学力のみならず、論理構造の理解力、日本語の表現力等を総合的に評価します。専門科目の口述試験では、専門科目に関する知識、理解力やキャリアプランなどについて志望する研究分野の教員が評価します。
  • ARTプログラム特別入試
    筆記試験と口述試験を課しています。筆記試験では、医歯薬学分野の英語課題を用い、語学力のみならず、論理構造の理解力、日本語の表現力等を総合的に評価します。また、志望する教育研究分野の専門科目により、医歯薬学の専門性への理解力を評価します。専門科目の口述試験では、専門科目に関する知識、理解力やキャリアプランなどについて志望する研究分野の教員が評価します。
  • 外国人留学生特別入試
    面接試験、筆記試験と口述試験を課しています。面接試験では、受験時までに修得した専門性、キャリアプラン、就学の前提となる異文化適応状況と経済状況などについて、複数の教員が多面的に確認します。筆記試験では、英語課題または日本語課題から1カ国語を選択し、論理構造の理解力、解答の執筆能力等を総合的に評価します。専門科目の口述試験では、専門科目に関する知識、理解力やキャリアプランなどについて志望する研究分野の教員が評価します。
  • 外国人留学生海外特別入試
    書類審査、面接試験を総合して行います。面接試験では、受験時までに修得した専門科目に関する知識、理解力やキャリアプラン、就学の前提となる異文化適応状況と経済状況などについて、複数の教員が多面的に確認します。
  • O-NECUSプログラム修了者外国人留学生特別入試
    O-NECUSプログラムの成績(学力・意思・意欲)、書類審査により、専門科目に関する知識、理解力やキャリアプラン、就学の前提となる異文化適応状況と経済状況などについて、志望する研究分野の教員が評価します。

 医学学位プログラムでは、次のような学生を求めています。

  • 医学の創造的研究、学際的研究、国際的研究を志す人
  • 高度先端医療、全人的医療を志す人
  • 医療系社会人として活躍しながら研究を志す人
  • 6年制の医学・歯学・薬学教育を受け医療資格を有する人、または関連領域の修士課程、博士前期課程の修了者として相応しい知識・技能・態度を修得している人

 歯学学位プログラムでは、次のような学生を求めています。

  • 歯学の創造的研究、学際的研究、国際的研究を志す人
  • 高度先端歯科医療、全人的歯科医療を志す人
  • 歯科診療領域の専門医を目指す人
  • 医療系社会人として活躍しながら研究を志す人
  • 6年制の医学・歯学・薬学教育を受け医療資格を有する人、または関連領域の修士課程、博士前期課程の修了者として相応しい知識・技能・態度を修得している人

 薬学学位プログラムでは、次のような学生を求めています。

  • 最先端の研究動向を把握し、地域から国際社会まで幅広く普遍的に貢献する高度専門医療人や薬学研究者(大学教員を含む)を志す人
  • 医・歯・薬学の専門的知識を統合した学際的研究を志す人
  • 世界をリードする先端的・独創的研究を推進し、研究成果を発信する人
  • 薬学・薬物治療学及び関連分野に関する高度で幅広い知識を修得し、科学の進歩に適応しうる問題解決能力を涵養する人

 

医歯科学専攻(修士課程)

1.学位授与の方針(ディグリー・ポリシー)

 大学院医歯薬学総合研究科 医歯科学専攻(修士課程)は、医学・歯学の領域で、教育研究、先進的医療の中核拠点として、我が国及び地域に貢献する融合型の医療系大学院です。修士課程では、医歯科学の先端的な研究及び医療の推進に貢献し得る人材、及びリサーチマインドを有する保健・医療・福祉従事者、公務員などとして地域に貢献する人材を養成しています。そのため、次のような実践力、探究力、コミュニケーション力、専門力、教養力を身につけることを求めています。

 修得できる力:実践力・探究力・コミュニケーション力・専門力・教養力

  • 【実践力】実践的な問題を解決できる力
    グローバル化に対応した国際感覚を有し、自己の専門分野をもって社会をリードする行動を取り、日々発生する身近な課題と向き合い、解決に向けて行動し、持続可能な社会の実現に向けた新たな枠組みを構築することができる。
  • 【探究力】自律的に探究を推進する力
    自己実現に向けて、生涯に亘り医学・歯学の発展に寄与する高い学習意欲を持ち、基礎から社会実証研究に至る諸相で、長期的・短期的課題を見出し、研鑽を積むことができる。
  • 【コミュニケーション力】成果創出に活かせるコミュニケーション力

    幅広い学術研究領域の情報を自ら収集・分析し、適切に発信できることに加え、適切な方向性を示唆することができる。

  • 【専門力】知の創成につながる幅広い専門力

    医学・歯学に関する幅広い専門知識と技能、態度及び課題に対してアプローチする能力を身につけて社会に貢献できる。

  •  【教養力】人間性に富み国際的に通用する教養

    広い学識を習得し、学術的問題を見出すとともに、その問題解決に向けての論理的思考力・判断力・創造力を有し、人間性や倫理観に裏打ちされた豊かな教養を身につけている。

医歯科学学位プログラム

 医歯科学学位プログラムでは、学部で学んだ専門領域と本専攻で学ぶ医歯科学領域の複眼的視点で社会の課題を解決して自立・自己実現できる人材を養成します。例えば、保健・医療・福祉関連企業で研究・開発・生産管理・技術営業に従事する高度専門職業人、高度で知的な素養を持つ公務員や中等教育教員、研究者や大学教員を目指す博士課程進学者などを想定しています。
 次の2つの要件を満たした者に、修士(医科学)、修士(歯科学)又は修士(学術)の学位を授与します。
 コースワークとリサーチワークにより実践力、探究力、コミュニケーション力、専門力、教養力を習得し、その学修成果を所定の単位として取得することが必要です。また、リサーチワークの成果を学生自身が学位論文としてまとめ、公開の場で発表・討論することにより、自らの論理的思考力、研究遂行能力、説得力が所定の水準を満たしていることを能動的に示すことが必要です。

公衆衛生学位プログラム

 公衆衛生学学位プログラムでは、学部教育または社会人としての実務経験を通して培った専門性に加えて、実学としての公衆衛生学5分野を広く深く学修し、公衆衛生学のリサーチマインドを有する保健・医療・福祉従事者、行政職、企業研究者等を養成します。
 次の2つの要件を満たした者に、修士(公衆衛生学)、または修士(学術)の学位を授与します。
 コースワークとリサーチワークにより教養、専門性、情報力、行動力を習得し、その学修成果を所定の単位として取得することが必要です。また、リサーチワークの成果を学生自身が学位論文としてまとめ、公開の場で発表・討論することにより、自らの論理的思考力、研究遂行能力、説得力が所定の水準を満たしていることを能動的に示すことが必要です。

2.教育課程編成と実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

 卒業認定・学位授与の方針(ディグリー・ポリシー)で掲げた力を修得した人材を養成するため、大学院医歯薬学総合研究科医歯科学専攻(修士課程)として以下の方針及び考え方に基づき、教育課程を編成し、実践します。

教育の実施方針

持続可能社会の実践に向けて学生が主体的に学び続ける能力を育成する教育を実施します。

教育内容および方法の考え方

 主体的・対話的で深い学びの視点から、「何を教えたか」から学生が「何ができるようになったか」を重視して、以下の教育内容および方法を各学位プログラムにおいて提供します。なお、大学院医歯薬学総合研究科 医歯科学専攻(修士課程)では、学務委員会を中心として、継続的な教育方法の改善に取り組んでいます。
 大学院医歯薬学総合研究科 医歯科学専攻(修士課程)では、卒業認定・学位授与の方針(ディグリー・ポリシー)に掲げる卓越した修士人材を養成して、地域から国際社会まで広く貢献するため、学位プログラムとして、医歯科学学位プログラムと公衆衛生学学位プログラムを設置しています。それぞれのプログラムにコースワークとリサーチワークを設定しています。

医歯科学学位プログラム

 社会人、留学生にも対応した次のような教育課程を順次履修することで、ディグリー・ポリシーで定めた能力を円滑に獲得します。
 コースワークでは、まず大学院レベルの教養科目としての共通科目「医歯科学概論」や「社会医歯科学」を学びます。さらに専門科目として人体の正常な構造と機能、病気の成り立ち、病気の診断と治療、人間集団と保健・医療・福祉、研究倫理などについて、順次集中的に学びます。さらに学年進行に伴い、キャリア支援特別講義の受講に加え、OB・OGフォーラムや製薬企業研究会等の学生支援イベントに参加して、社会的及び職業的自立を図るために必要な能力を培います。
 リサーチワークは、研究の情報収集・計画立案・実施・記録を行う実習科目と、研究目的・方法・結果を論理的に発表・討論する演習科目で構成されています。併せて、国際学会での成果発表を推奨する授業科目を設定しています。これらの科目では、能動的な情報力、行動力、国際性を涵養します。また、学生は年度毎に指導教員と年間の研究計画について討議し、研究指導計画を作成します。これを指標として年間のリサーチワークを進めます。2年間を通じて、指導教授、教育研究分野のその他の教員及び専門性に応じて異分野の教員を含む複数指導体制の下で修士論文研究を行います。このリサーチワークを通して、批判的思考力や創造性、課題解決能力を獲得します。

公衆衛生学学位プログラム

 学部または社会人としての実務経験を通して培った知識・技能・態度に加え、修士課程で公衆衛生学を多面的に深く学ぶことでディグリー・ポリシーで定めた能力を円滑に獲得できるよう、教育課程を編成しています。
 コースワークでは、まず大学院レベルの教養教育科目として共通科目「医歯科学概論」や「社会医歯科学」を学びます。さらに1年次では公衆衛生大学院の国際標準である疫学、生物統計学、環境保健学、社会科学・行動科学方法論、及び保健医療管理学の必須5分野を含む科目を履修します。これらの学修により、医歯科学の教養を身に着け公衆衛生学の専門性を習得します。2年次では1年次の学習を発展させて修士論文研究を実施・完遂することを目指します。
 リサーチワークは、研究の情報収集・計画立案・実施・記録を行い、その後自ら研究目的・方法・結果を論理的に発表・討論する演習科目で構成されています。併せて、国際学会での成果発表を推奨する授業科目を設定しています。これらの科目では、能動的な情報力、行動力、国際性を涵養します。また、学生は年度毎に指導教員と年間の研究計画について討議し、研究指導計画を作成します。これを指標として年間のリサーチワークを進めます。2年間を通じて、指導教授、教育研究分野のその他の教員及び専門性に応じて異分野の教員を含む複数指導体制の下で修士論文研究を行います。このリサーチワークを通して、批判的思考力や創造性、課題解決能力の醸成を図ります。

成績評価

 講義科目では主に総括的評価、実習科目及び演習科目では主に形成的評価を行います。

正課外教育の考え方

 学生が授業での学びを越えて自らの成長を実感できる正課外の機会を提供します。


3.入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

 大学院医歯薬学総合研究科 医歯科学専攻(修士課程)では、医歯科学学位プログラムと公衆衛生学学位プログラムを設置し、それぞれ次のような学生を求めています。

医歯科学学位プログラム

複眼的視点を持つ高度人材を育成するため、文系・理系を含め学部の専門分野は問いません。
・出身学部の専門性に応じて、学士に相応しい知識・技能・態度を習得している学生を求めています。
・学部の専門性に加えて医歯科学を修めることで、ディグリー・ポリシーが想定する高度人材として世に出る強い意思を有する学生を求めています。
・実学としての医歯科学を学び、自らの手で粘り強く先端研究を行って知識・技能・態度を総合的に習得する能力を持つ学生を求めています。
・知識・技能・態度の習得や自立・自己実現のため、周囲との信頼関係を醸成できる学生を求めています。
・さらに、自立・自己実現には学際性や国際性が必須となった時代背景を理解し、実践できる学生を求めています。

公衆衛生学学位プログラム

リサーチマインドを持って地域に貢献する保健・医療・福祉従事者を育成するため、原則として医療分野のバッググラウンドを持つ方を求めています。
・医療関連学部で習得した専門知識、また医療分野で実務経験を有する方を求めています。
・さらに本修士課程で公衆衛生学を修めることで、ディグリー・ポリシーが想定する高度人材として世に出る強い意思を有する学生を求めています。
・実学としての公衆衛生学を学び、自らの手で粘り強く先端研究を行って知識・技能・態度を総合的に習得する能力を持つ学生を求めています。
・知識・技能・態度の習得や自立・自己実現のため、周囲との信頼関係を醸成できる学生を求めています。
・さらに、自立・自己実現には学際性や国際性が必須となった時代背景を理解し、実践できる学生を求めています。

入学者選抜の基本方針

 入学者選抜試験を毎年夏と冬の2回実施し、合格者は4月に入学します。

  • 日本人志願者等
    筆記試験と口述試験を課しています。筆記試験では、医歯科学分野の平易な英語課題により、語学力のみならず、学士レベルの教養、論理構造の理解力、日本語の表現力等を総合的に評価します。口述試験では、キャリアプランの具体性、志望度、学部で習得した専門性、人間的信頼性などについて志望分野の教員が口頭試問により評価します。
  • 外国人志願者等

    面接試験、筆記試験と口述試験を課しています。面接試験では、学部で習得した専門性、キャリアプラン、就学の前提となる異文化適応状況と経済状況などについて、複数の教員が多面的に確認します。筆記試験では、英語課題または日本語課題から1カ国語を選択し、論理構造の理解力、解答の執筆能力等を総合的に評価します。口述試験は、日本人志願者等の場合と同様に評価します。

入学前に学習しておくことが期待される内容

 英語力の向上を目指されることを期待します。関連分野で求められる専門領域の知識・技能の向上を目指してください。研究を円滑に推進していくには、合格後にさらに専門知識を深めておくことが必要です。