研究科長の挨拶

医歯薬学総合研究科長
    成瀬 恵治(なるせ けいじ)

 2023年4月1日付で医歯薬学総合研究科長に就任した成瀬恵治です。本研究科は、医学系・歯学系・薬学系の総合的な大学院で、国際社会・地域社会に貢献し、研究・教育・医療における高度な知識と豊かな人間性を備えた医療職業人を育成することを目標としています。

 1990年代に全国の大学の大学院重点化が提唱され、本学でも2001年に医学研究科と歯学研究科が統合し、医歯学総合研究科が誕生、大学院の部局化がなされました。2005年には薬学系が加わり医歯薬学総合研究科となり、現在に至っています。

 私は「繋がる」をキーワードとして医学・歯学・薬学、さらに異分野融合を加速した研究を促進していきたいと思います。(1)本学の強みの一つである革新的医療技術創出拠点としての医療系において国際研究拠点及び次世代研究拠点を形成し、TOP10%論文、国際共著論文の増加をはかります。(2)イノベーションエコシステムを構築するために、イノベーション創出機能の集約化と強化による戦略的活動を実施する組織を構築・運営します。(3)新たに構築された学位プログラムに基づき博士後期課程学生の処遇向上並びにアカデミア及び産業界を含めた、多様なキャリアパスの確保を推進することで、優秀な人材が積極的に学びやすい環境を構築・整備します。(4)優れた若手研究者の活躍を支援し、自由な発想で挑戦的研究に取り組め、その能力を最大限発揮できる魅力的な研究環境を整備・向上します。

 大学は知の創造を行う崇高な場であり、本学の医療における特色と強みの一つは、医歯薬学総合研究科だけではなく保健学研究科やヘルスシステム統合科学研究科といった、連携・協働によるシナジー効果を強く期待できる複数の研究科及び臨床研究中核病院にも指定されている大学病院を有していることです。私は研究科長として大学執行部と方向性を共有し、部局を超えてつながり、岡山大学全体の研究力強化と優れた研究人材の確保・育成・輩出に努め、本研究科が地域社会や世界とのイノベーションにおいて先駆的役割を果たすことができるよう、しっかりとリーダーシップを発揮して本研究科の一層の発展に貢献します。


人材養成目的と教育目標

大学院医歯薬学総合研究科は,国際社会において高く評価され,地域社会に広く活用される研究成果の創出を基礎として,創造性豊かな自立した研究者,研究・教育・医療におけるリーダー,並びに高度な専門知識と豊かな人間性に基づく倫理観を兼ね備えた医療職業人を養成する。

この人材養成目的を実現するために,以下の教育目標を掲げる。

  1. 社会的ニーズを把握し,地域から国際社会まで貢献する医療・研究・教育分野を構築する
  2. 医・歯・薬学の専門的知識を結集した学際的研究・教育を推進する
  3. 世界をリードする先端的・独創的研究を推進し,研究成果を発信する
  4. 高度で幅広い知識を教授し,科学の進歩に適応しうる問題解決能力を涵養する
  5. 社会人に再教育の場を提供して,生涯医療教育を推進する