
【医】武田/モデルナ社新型コロナウイルスワクチン接種後副反応調査最終報告(2021年9月15日)
【医】武田/モデルナ社新型コロナウイルスワクチン1回目接種後副反応調査最終報告
~男女半々の若い世代を対象とした2回目接種はどのような結果なのか~
(2021年9月15日)
1.取り組みのポイント
- 岡山大学における大学拠点接種で行われた、武田/モデルナ社新型コロナウイルスワクチンの副反応調査を実施。合計7,205名(1回目3,917名、2回目3,288名)が副反応調査に回答しました。
- 2回目接種後は、局所反応として、接種局所の痛みが90.0%、腫脹が55.3%に出現。遅延性皮膚反応とみられる接種後7日目前後での局所の腫脹や発赤は、ほとんど認められなかった。
- 2回目接種では1回目と比較して全身反応の出現頻度が高く、筋肉痛が64.4%、倦怠感が84.2%、頭痛が74.7%、37.5度以上の発熱は88.0%で出現。
2.詳細
新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種に関して、一般の方へ正確な情報提供を行うことを目的に、大学拠点接種として岡山大学で行われた、武田/モデルナ社新型コロナワクチンの副反応調査を実施。岡山大学教職員及び学生の合計7,205名が副反応調査に回答しました。
2回目接種後は、局所反応として、接種局所の痛みが90.0%、腫脹が55.3%に出現。遅延性皮膚反応(COVID arm)とみられる接種後7日目前後での局所の腫脹や発赤は、1回目接種後に2~3%前後に出現しましたが、2回目接種後にはほとんど認められませんでした。
2回目接種では、1回目と比較して全身反応の出現頻度が高く、筋肉痛が64.4%、倦怠感が84.2%、頭痛が74.7%、37.5度以上の発熱は88.0%で出現。若い世代で発熱の出現頻度が高い傾向で、40代以下では90%前後に発熱が出現しましたが、一方60代以上でも75.4%に発熱が出現しました。
女性では男性に比べて副反応が若干高い傾向(例:発熱で約2%差)でした。妊娠や基礎疾患があることで、副反応出現頻度が高まる傾向にはなく、アレルギー歴があっても微増程度でした。また、武田/モデルナ社ワクチンの副反応出現割合は、岡山県内の5病院で実施したファイザーワクチンの接種後副反応調査結果よりも高く、若い世代(20歳代以下)で比較しても、同様の傾向にありました。
厚生労働省の研究班でも副反応調査が行われていますが、その対象者は男性数が多く幅広い年代にわたっている自衛隊職員が対象であり、本調査の対象は男女半々で、若い方が多く含まれているため、厚生労働省の研究班の知見と相補的に働くと思われます。
ワクチンには副反応がありますが、大体の症状は接種翌日、翌々日には落ち着いています。ワクチンを打つメリットの方が大きいと思いますので、接種を考える際の判断や準備の参考にしていただけますと幸いです。
3.発表者(問い合わせ先)
岡山大学 学術研究院医歯薬学域(医) 疫学・衛生学分野 教授 賴藤 貴志 助教 松本 尚美 |
岡山大学病院 総合内科・総合診療科 准教授 萩谷 英大 |
岡山大学 保健管理センター 助教 樋口 千草 |
4.関係資料
<詳しい研究内容について>
武田/モデルナ社新型コロナウイルスワクチン接種後副反応調査最終報告~男女半々の若い世代を対象とした2回目接種はどのような結果なのか~
<接種1か月後追跡調査報告はこちら>
武田/モデルナ社新型コロナウイルスワクチン接種1か月後追跡調査報告 ~接種1か月後の副反応の有無や満足度を評価~
<中間報告はこちら>
武田/モデルナ社新型コロナウイルスワクチン1回目接種後副反応調査中間報告