【医】疫学・衛生学分野ニュースVol.1「小児新型コロナウイルスワクチン接種後副反応調査中間報告」発行(2022年5月24日)

疫学・衛生学分野ニュースVol.1「小児新型コロナウイルスワクチン接種後副反応調査中間報告」発行

(2022年5月24日)

 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科疫学・衛生学分野では、岡山県等と協働で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策を進めています。これらの活動を通じての調査や分析などの研究情報を、いち早く社会の皆様にお届けするためのニュースレター「岡山大学疫学・衛生学分野ニュース(新型コロナ情報)」vol.1 を2022 年5 月24 日に発行しました。
 本ニュースは、専門の方向けではなく、一般の方向けとしてわかりやすい言葉で紹介しています。依然として新型コロナウイルス感染症のパンデミックが収まらない状況でありますので、少しでも皆様の感染対策の参考にしていただける正確な情報の提供につながればと思います。



1.取り組みのポイント

  • 岡山県の依頼を受け、岡山県内の協力医療機関で、5~11 歳対象のファイザー社製小児用新型コロナウイルスワクチンを接種した者を対象に、接種後副反応調査を行った。
  • 1 回目接種後の全身副反応は成人と比較しても少なく(37.5 度以上の発熱 1.9%)、発熱があっても39 度を越えなかった。
  • 接種部位の痛みや腫脹、全身の倦怠感(だるさ)の報告が多かったが、接種翌日まで続いた割合が最も高く、接種3 日目以降まで持続する者は少なかった。
  • 基礎疾患・アレルギー歴があることで、明らかな副反応の出現割合の差は無かった。
  • 接種理由として大多数が、お子様自身の感染や重症化、後遺症を予防するためと回答した。
  • 先行報告となる2回目接種後副反応調査では、1回目より副反応出現割合が高かったが(37.5 度以上の発熱 15.4%)、成人と比較すると全体的に低い傾向だった。

2.詳細

 岡山県の依頼を受け、ワクチン接種後の副反応の頻度を評価し、一般の方へ正確な情報提供を行うことを目的に、ファイザー社製小児用新型コロナワクチン接種後副反応調査を実施いたしました。
中間報告では、2022 年3 月12 日から2022 年4 月14 日の間の調査回答分を集計しました。岡山県内の協力医療機関で、5~11 歳対象のファイザー社製小児用新型コロナウイルスワクチンを接種した小児の保護者を対象にアンケート調査を実施し、626 人が回答しました。
 1 回目接種後の副反応については、成人と比較して少なく、37.5 度以上の発熱は1.9%で、発熱があっても39 度を超えることはありませんでした。接種部位の痛みや腫脹、全身の倦怠感(だるさ)の報告が多くありましたが、接種翌日まで続いた割合が最も多く、接種3 日目以降まで持続した割合は低くなっていました。また、基礎疾患・アレルギー歴があることによる明らかな副反応の出現割合の差はありませんでした。接種理由として大多数の方が、お子様自身の感染や重症化、後遺症を予防するためと回答しました。
先行報告となる2回目接種後副反応調査では、37.5 度以上の発熱が15.4%となる等、1回目より副反応出現割合が高くなりましたが、成人と比較すると全体的に低い傾向でした。

3.発表者(問い合わせ先)

岡山大学 学術研究院医歯薬学域(医)  疫学・衛生学分野
教授 賴藤 貴志 ,助教 松本 尚美

4.関係資料

<詳しい研究内容について>
岡山大学疫学・衛生学分野ニュースVol.1

小児新型コロナウイルスワクチン接種後副反応調査中間報告

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