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【医】重症新生児を救う迅速ゲノム診断-日本最大規模のNICU連携体制を岡山大学が牽引
2025年11月20日
最新研究情報(小児発達病因病態学分野 武内俊樹教授)
重症新生児の約1割は遺伝性疾患を背景に発症するとされ、原因が不明のまま急速に病状が悪化するケースも少なくありません。
これらの疾患は種類が数千に及ぶ一方で、症状が「活気がない」「哺乳が進まない」など非特異的で、従来の検査のみでは診断が困難でした。
こうした課題に対し、岡山大学の武内俊樹教授らの研究グループは、ゲノム解析を用いた迅速診断の医療実装に取り組んでいます。
武内教授は、2019〜2023年度に実施された新生児ゲノム診断研究において、診断に苦慮する新生児467例に解析を行い、51%で遺伝学的診断を確定しました。
そのうち55%はゲノム診断が治療方針の変更や救命につながる可能性が高い疾患であることが明らかになっています。
実際に、ビタミン輸送に関わる遺伝子(SLC5A6)の変異が原因で重篤な貧血・心機能低下を起こしていた乳児に対し、遺伝子診断を契機としてビオチンとパントテン酸の
大量投与を早期に開始した結果、劇的に改善した症例も報告されています。ご家族が「原因が早く分かり、治療に結びついたことで笑顔が増えた」と語るように、
迅速診断は臨床現場と家庭に大きな安心をもたらしています。
これらの成果は国内外でも注目されており、2023年8月には第6回日本医療研究開発大賞(AMED理事長賞)を受賞しました。
さらに、2024年度からは「重症新生児に対する迅速なゲノム診断の医療実装に関する研究開発」を主導し、岡山大学が全国的な研究拠点として新たに役割を担っています。
とりわけ特筆すべきは、全国のNICUと連携した162施設(わが国の全NICU病床の56%)に及ぶ大規模解析ネットワークの構築です。
専門医が都市部に偏在するなか、遠隔遺伝カウンセリングの仕組みを導入し、「日本のどこで生まれた重症新生児にもゲノム診断を届ける」体制づくりを進めています。
この取り組みは、地域医療格差の是正にも大きく貢献するものです。
新聞各紙(2025年3月11日、7月29日、10月7日、11月13日)でも、本研究は「ゲノム分析で迅速治療」「新技術で診断が可能に」「希少疾患AIで早期診断」
などの見出しで紹介され、臨床ゲノム医療を切り開く次世代医療モデルとして広く注目されています。
武内教授は今後、解析のさらなる高速化、ネットワーク拡大、臨床現場での運用プロトコルの確立を進め、重症新生児の迅速診断を日本の標準医療として
根付かせることを目指しています。本学は、ゲノム医療研究の司令塔として、引き続き新生児・小児医療の質向上に貢献していきます。


写真:実際の研究の様子
(参考)2025年4月22日 岡山大学定例記者発表
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本件問い合わせ先
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 小児発達病因病態学分野
教授 武内 俊樹
TEL:086-235-7372
Email:toshiki.take@okayama-u.ac.jp
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